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12レッドストーン(yonausa.net/redstone/)小説目次>小説2『現在、テイマとウルフマン』

レッドストーン小説【チャーミングストーリー〜悪魔の恋愛物語〜】

12レッドストーン漫画&小説 ウルフマンの心境は果たしてどうなのだろうか・・・。



小説テイマウルフマン画像

--------------------U 現在、テイマとウルフマン--------------------

『はーい、ウーちゃんごはんですよー』
よく透る大きな女の声とともに、いいにおいが漂ってくる。
窓際で外を眺めていたウルフマンのウィメンは、鼻をクンクンとならし、 おいしそうなにおいを吸いこむとよだれがあふれてきた。
昨日は嵐だったのだが、それがうそのように晴れた青空が広がっている。
ウィメン自身も心の奥に何かモヤモヤとした違和感があり落ち込んでいたのだが、 今日の気分はスッキリしていた。

木でできたテーブルの上に皿を置いたのは、ビーストテイマーのティマ。 そんなティマの後を追うようについてくるのは二匹のペット。ファミリアのボスとドンと呼んでいる。 ティマはまだ幼さが残る容姿だが、良いことは素直に褒め、悪いことには厳しく叱るまっすぐな女だ。 ボスとドンをしっかり調教して育てているだけはある。
テーブルに次々並べられた皿の上には、先日狩りの時に調達したスコーピオンのからあげと鷲のフライドチキンとビッグクラブのスープ。 わりと朝から豪華な食事が並んでいる。

『いっただきま〜す!』
食事に飛びつこうとしたら・・・
『おすわりっ』
と、ティマの一括が入った。
『ワンッ』と着席したウィメンに、『マテ』とにやにや笑ってマテマテしながら後ろ向きに歩いて遠ざかっていくティマ。ペットのボスとドンもついていく。
また遊ばれてる?・・・そうは思うが言われるがまま待ってるオレって・・・
じっと食事を見つめ待っていると、扉が開いた。

『あー、いい早朝マラソンだったわ〜』と、息を弾ませてサマナーのサナが帰ってきた。ティマの双子の姉だ。ティマとサナは見た目がそっくり。性格はサナのほうはポーっとしていて、やわらかい物腰でいつもおだやかな笑顔の女だ。背後にはいつも火のケルピーと風のウィンディが浮いていて彼女を護っている。ひとまとめにそれらを召喚獣というらしい。召喚獣は実際には火・風・水・土属性の4種いるらしいが、普段姿を現せるのは2種までなのだそうだ。サナにもそういった不思議な魅力がある。

サナは、ウィメンが食事を前にじっとしているのに気がつくと、
『あらあら、またティマに止められちゃってるの?気にしないで食べちゃうといいわ〜』
フフフフと、ウィメンに微笑みかけてその場を素通りしていき、台所でガチャガチャしているティマを見つけると注意しだした。
『こら、ティマ。ウィメンさんになんてことしてるの!早くマテをといてあげなさいな』
『え〜〜だって、アレをかけないと・・と思って、もうちょっと待っててよ〜』
という声が聞こえてくる。アレ・・・?
アレってのは・・・テーブルの上の食事を見回してみた。
?ソースかな?なくてもいいけどな〜。べつに・・・。 オレ、しょっぱいのニガテだし・・・。
待ちくたびれてテーブルにもたれ、つまんなそうにしているウィメンのところにやっとティマが戻ってきた。

『よ〜し、よしよし。ちゃ〜んと待ってたね。』
そういって人を待たせて持ってきたものは・・・なんてことないレモンだった。
レモンを絞ってスコーピオンのからあげにまわしかけるティマ。
『はーい。もう食べていいよ。どうぞ〜』
ウィメンの頭をなでなでしながらティマは言った。
この瞬間をオレはじっと待ってたんだろうな。頬が紅潮してなでなでされた頭がこちょばゆいじゃないか。

『あ、そうそう』と、サナもテーブルについた。
『さっきね。マラソン途中でずんぐりむっくりの人がティマと私を間違って話しかけてきたの』
『名前は・・・えーと、聞かなかったけど、ネクロマンサーさんのはず。知りあいにいる?』
ティマはちょっと考えてから『いない』と言った。
『そう?なんだかねぇ。すごく怒ってたのよ。ティマがウィメンさんにオスワリ!とかよくやるじゃない。その人、それについて怒ってたわよ』
『えええ〜、こわーい』と、頭を抱え込むティマ。
フフ『でもね。お腹ぷよぷよでやわらかそうだったんで触りたくなっちゃった』きゃ。
と、サナは、めずらしくいたずらっこな目をしてそう付け加えた。

『あ!てことは、その人、ウーちゃんのこと知ってる人かも!!』
閃いたように輝かしい目になり、『ねぇねぇ、その人探してみようよ!』とわきたった。

ウィメンは自分のことにこんなに一生懸命になってくれる二人とくらして1ヶ月になる。
ティマと、サナにトラン森で倒れている所を助けられてから、すっかり居ついてしまった。
二人には世話になりっぱなしで感謝してもしきれない。
倒れていた以前の記憶はないウィメンは、モヤモヤした漠然とした不安に苦しんではいた。
その上、何か大事なことを忘れているのではないかという怖さが恐ろしく、身震いが出た。

『やだ、ウーちゃん、風邪?』
すぐさまウィメンの様子に気づいたティマが心配そうに聞いてきた。
『いや、ちょっと怖くなってね。昔オレ、とんでもないことしたんじゃないかって思ったらさ』
ウィメンは、そんなティマに笑顔を向け明るく返答した。
『昔か〜。何があったんだろうね。でも、ほら、昔のこと知ってそうな人出てきたし。もうすぐわかりそうじゃん。元気だして!』と、ティマはウィメンを励ます。 サナも『そうね。その人から何かわかるかもしれないわね』と、微笑んだ。

ウィメンの心境は複雑だった。昔のことを知りたいけれど、知りたくない気もする。
知れば知るほどすごく後悔しそうな不安がつきまとうからだ。

二人が食事を片づけに台所に行くと、ひとり外に出た。
外は、ここちよい風が吹いている。気持ちがいい。思いっきり息を吸いこんで深呼吸をした。

切株に腰掛け、目をつむる。顔を風が触っていく。
しっぽを左右にゆ〜らゆら揺らし、フンフンフンフンと鼻歌を歌って頭をからっぽにする。
夏が近い。もうすぐ、ギラギラした熱い熱い真夏がやってくるだろう。

そんなふうに感覚を研ぎ澄まし、昔のことは考えまいと季節を感じていると、 ふいにしっぽに何かが触れた。
よく、ティマがウルフマンのしっぽが気持ちいいとすりよってくるので、前を向いたまま 『ティマか?』と、問い、返答がないので振り向いてみたが、そこにはだれもいなかった。
不思議に思ったが、すぐに気のせいだったかと思い、ひとり笑った。


さ、さささ触った・・・!!
大きなグローブのせいでぜんぜん感触はわからなかったのだが、近づいて触れたことに興奮していたのは、だれでもなくネクロマンサーのシュマリーだった。
一人で切株に座っているウルフマンの後ろ姿にチャンスだと思い、気付かれないようにそろ〜りそろ〜りと近づき、タッチに成功!!

さっきはあの憎たらしい女に文句を言おうと声をかけたが、人違いで不満が募っていただけに大興奮しているシュマリー。

一緒にケダモノと化してくれた彼を置いて・・・
ウルフマンになった彼を一人残して・・・
ネクロマンサーになってしまった自分の醜い姿を見られたくなくて逃げ出してから1か月。
それでもずっと、ずっとずっと、彼の様子を遠くから見てきた。
会いたい気持ちをぐっとこらえて、今日まで必死に耐えてきた。

でも、彼をとりまく環境にだんだん腹が立ってきて、あんなんでは彼が幸せであるはずがないと思えた。だから、勇気を振り絞って話かけたのだ。
『ちょっとあんた。あんまりじゃない』と、肩に手をかけて走り去る女を止め、
『はい?』と振り向く女に
『アレやめてよ!オスワリとかフセとか・・・っ!』と、つめよった。
すると、その女は『あ〜、あれね。ほんとにね。私もそう思うわ』うんうん。と、うなづいてぽんぽんと、両肩をたたきうなづく。
『な、なにスカしてんだよ!やってんの自分でしょうが!!』
妙に落ち着いて話が通じない女を相手にして頭に血が昇った。
『ふふふ、落ち着いて。えーと、その姿はネクロマンサーさんよね?私はサマナーよ。ほら、召喚獣がいるでしょ。あれはビーストテイマーだから言っておくわね』
そう言い残し走り去られてしまったのだった・・・。

失態の後の成功とはこのことね!

変な納得をして喜んでいるシュマリーに、近づく人影。

『あ、ネクロマンサーさんみっけ』
そう言われ顔をあげると、そばに人が立っていた。
ニタニタ笑う二人のビーストテイマーとサマナーの顔と、向こうできょとんとしているウルフマンの顔に、とまどいを隠せないくらい動揺して冷や汗たらたらのシュマリーでした。

2【現在、テイマとウルフマン】

ビーストテイマーは調教師だから、ウルフマンを犬として扱って森で共に暮してても自然かなと思いましたので、ウルフマンを助ける役にしました。双子でサマナーも登場。のどかな一場面を表現できているでしょうかね?

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