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12レッドストーン(yonausa.net/redstone/)小説目次>小説6『未来、悪魔とウィザードと追放天使』

レッドストーン小説【チャーミングストーリー〜悪魔の恋愛物語〜】

12レッドストーン漫画&小説 悪魔ウィザード追放天使の恋愛最終章。
(※イラストに反して、ホラーちっく仕上げになってしまっております。ホラーが苦手な方には本当にごめんなさいです)



小説ウィザードと悪魔画像

--------------------Y 未来、悪魔とウィザードと追放天使--------------------

朝から何事・・・
サマナーのサナにたたき起こされたビーストテイマーのティマやウルフマンのウィメン、ネクロマンサーのシュマリーはそのひどい荒らされ具合を見て絶句した。

パンや肉、野菜などの食料やコップやお皿などの食器やお花や花瓶、旅に欠かせない地図や書物などの本が床のいたるところに散乱していた。椅子やテーブルは倒されて、それらに混じって生ゴミもぶちまけられていた。 割れたり壊れたりした物は少しだったが、わざとやったような悪意さえかんじるほどだった。

『まさか・・・ドロボー?』
ティマは、ハッとして盗まれている大切なものがないか探しに走った。

『あああ、あったぁぁぁ〜!!よかったぁ〜!!』と、ほおずりして喜んでいるティマ。
『大事なものってソレかよ?』ウィメンは、ティマが大事に抱えている物を覗き込んで鼻で笑う。
『何がおかしいのよ。大切でしょーが!笛をバカにしないでよね!これ、けっこう高いんだから〜』と、ふくれるティマ。

一通り盗まれているものがないか確認し終わってもホッとしていられない。
サナは手の平をたたいてパンッと鳴らすと、
『さ〜さ〜、みんなで片付けちゃいましょう。このままじゃご飯も食べられないわよ〜』
と、仕切って片付けをうながした。

とうとう、午前中いっぱい片付けと掃除に奮闘することになってしまった。


『はぁ〜、終わった〜。おなかすいた〜。サナご飯作って〜』
ごろんっと、床に寝転んでせがむティマ。

『や〜よ〜、ティマが作ってよ〜。もう疲れて動けない〜』
と、サナも壁にもたれて動く気力なし。

『じゃ〜、ウィメン作って〜』
と、ティマはウィメンにふる。

『オレ、料理できないって』
ウィメン即却下して不貞寝。

そう、みんなへとへと。お腹はものすごく空いているが動くのがしんどい。

『ん〜、じゃあシュマリーちゃん作ってくれない?』
と、ティマは聞いてみた。

『・・・・・・・』返事なし。

『あ、あれ?シュマリーちゃんは?』
『へんねぇ、さっきまでいたはずなのに・・・』
『??』
三人はシュマリーがいないことに気がつき、あたりを見渡す。

そこへ、『おまたせしました〜』と、勢いよく扉が開いて、大きなかばんを抱えたシュマリーが入ってきた。
かばんの中身をざざざ〜っとみんなの前に出すと、キャンディやらクッキーやらケーキやらのお菓子の山ができた。

『わーい!お菓子だ〜』と、喜んで、さっそくいただくティマ。
『こんなに買ってきたの?お菓子好きだったのねぇ』とお菓子の量に驚くサナ。
『・・・・・・・』顔は笑っているがノーコメントのウィメン。(じつはお菓子苦手)
『疲れたら甘いものが一番です』と、にこにこして食べるシュマリー。

その時、シュマリーはある声を耳にした。

<だから太るのよ>


うっ・・・ぐっ、ゲホゲホ・・・
『だ、大丈夫?シュマリーさん!そんな急いで食べない食べない』と、背中をさすって笑うティマ。
フフフ、アハハハ笑いが起こる。
シュマリーはコクコクと笑顔で首を振りうなずき、傷ついた心を隠そうと必死だった。


今の声・・・何だったんだろう?
わけのわからない不安がシュマリーの頭をよぎる。
みんなの心の声のようにも思え、落ち込んでしまう。
食欲もなくなってしまう。

その夜も食欲はわかず何も食べなかった。
ティマもサナもウィメンも心配してくれたが、やさしくされればされるほど惨めになる。
シュマリーの心は晴れないどころか、三人の談笑が聞こえるたびに不安にかられ、疑いを募らせてしまっていた。


本当は私のことを厄介者に思っているのかもしれない。


翌日、ティマの体調が悪くなる。
食に当たったかな・・・と思ったのもつかの間、続いてサナも寒気と下痢に襲われ寝込む。
ウィメンもうなされるほど高熱が出てしまい、三人ともダウン。

シュマリーが来てからというもの、家は荒らされるは、健康も危うくなるは、で、散々な状態となってしまった。
シュマリーは、どうしてこんなことになってしまったのかわけがわからず、とにかくお薬を調達に走った。


キャンプファイヤー。花火。楽しかったのに・・・。


三人のためにお薬を抱え走る途中、また声が聞こえた。今度ははっきりと・・・。

<役立たず>


え・・・・? だれ・・・・・?
シュマリーは立ち止まり、辺りを見回す。

木の枝が風で揺れ、葉と葉をこすりあわせ、ざわざわと音を出している以外は何も聞こえず、気配も姿もなかった。
しかし、確実に聞こえるその声は、外からではなかったのだ。

<何やってんの!まったくあんたときたら役立たずなんだから!あいつらのペースにはまってないでさっさと呪い殺しなさいよ!それがあんたの特技でしょーが!>

それは、シュマリーであってシュマリーではない。
ウィメンへの想いにズレが生じてしまったために、お互いを受け入れられなくなってしまった結果、
ネクロマンサーのシュマリーと悪魔のシュマリーは完全に分裂してしまっていたのだ。


呪い・・・
ハッとした、いつのまにか三人を呪っていたのは自分だと気付いた。
では、家を荒らしたのも・・・

その考えには首を振り、必死に否定する。

な、なんで呪わなくちゃいけないの?彼女たちはいい人だよ。ウィメンとも一緒に暮らせてるのに・・・。なんで!?
ネクロマンサーのシュマリーは悪魔のシュマリーへ言葉を投げかける。

<もういいの!あんたは引っ込んでなさい!あいつらからウィメンを奪い取ってやるから!あいつらもあんたも憎ったらしいのよ!>

ダメ! そんなこと したらダメ!!

<ははは。そうやって吼えてなさい。まだ未熟なあんたには私を抑える事はできないんだから>

そう言って、しびれを切らした悪魔のシュマリーは行動に出た。

家に戻ると、さっそくウィメンの寝床に直行した。
熱にうなされて苦しそうにしているウィメンが見えた。

『フフ、ウィメン。会いたかったわ』
枕元に立って、頭をなでる。

そして、顔を近づけてささやきかける。
『私が思い出させてあげる』

シュマリーはそのまま、ウィメンの口に自分の口を重ねる。
ふわっと刺激的な香りを漂わせながらの濃厚なキス。
やわらかい感触とともに、熱く、ねっとりとからみつく。

『シュ、シュマリー・・・・・・?』
ウィメンは半分目を開き、ぼんやりと瞳に映る赤い髪の女を確認する。
熱で頭はぼーっとしているが、体が反応する。無意識に覚醒した。


『!!』
ティマは、自分の目を疑う。
家の中で知らない男女が抱き合っている!?
トイレに起きた後、ごそごそと物音がするので覗いてみたのだった。

『あなた達、だれ!?』
大声を出すティマに驚き、振り向くシュマリーとウィメン。

『あ、まさか!! 悪魔のシュマリーさんとウィザードのウィメンさん!?』
非常に興奮するティマ。サナもティマの声に起きてきた。

シュマリーはそれに答えず、うるさい女ね。と煙たそうににらむ。

『って、ことは・・・!!シュ、シュマリーちゃんとウーちゃんはどこ!?』
『ねぇ!シュマリーちゃんとウーちゃんは!?』
ワーワーと騒ぐティマに頭にきたシュマリーは、怒鳴り声を上げる。
『知らないわよ!私達の邪魔をしないでちょうだい!!』


その時、空間が一転した。
辺り一面暗闇に覆われる。冷たい岩石が肌に触れた。

『いや、邪魔はさせてもらう』
その声と共に現れたのは追放天使のエンゲルだった。

『!?』
シュマリーは目を大きく見開き、あからさまに驚いた。
『エンゲル・・・!? なんでそこにいるのよ!?』

シュマリーはさらに美しくなっていた。
髪はつやつやで肌はもちもちつるつるして魅力的だった。
しかし、その傍らにいるウィメンの方はというと、見るも無残な姿になっていた。

エンゲルは、二人を直視できない。悲痛に顔を歪ませる。
ああ、遅かったかもしれない・・・そんなことを思うとウィメンに申し訳なくてのどがつまるが、 意を決して口を開く。
『シュマリー、いつまでそうしてるつもりだ。いいかげん、ウィメンを解放してやってくれ!』
頼む。そう言うと土下座をして頭を地面につける。頼む・・・!!

『解放?なにそれ?相思相愛の私達に言う言葉?私達は愛し合ってるのよ。ずっとよ。ずっと。ウィメンとずっと一緒に生きていくんだから。ね?ウィメン』
と、ウィメンの方を見て微笑むシュマリー。

エンゲルは顔を上げると、
『愛し合ってる?それがお前の愛か?笑わせるな』と、まっすぐにシュマリーを見据えて言った。

真剣な眼差しにシュマリーはたじろぐ。返す言葉が出てこない。
『う、うるさい!エンゲルなんかにはわからない!わかりっこない!!!』
うるさいうるさい!あっちへいけ!邪魔するやつは許さない!と、暴れ出すシュマリー。

シュマリー、やめるんだ。後ろから抱きしめてウィメンはそれを止める。
『悲しいけど・・・エンゲルの言ってることに耳を傾けてくれ・・・オレは限界・・・らしい・・・』
目を細めて笑い顔をウィメンは作るが、ほとんど生気がない。

『?ウィメン・・・どうしたの?元気ないじゃない・・・』
シュマリーは異変をかんじる。急に不安になってくる。

エンゲルはシュマリーが弱気になったこの瞬間にかけた。
『現実を見てみろ。目をちゃんと開けて、目の前のウィメンを見てみろ!』

・・・・・・・

ウィメンの顔はコケ、体は骨が見えるくらいやせ細り、筋肉は皆無。息をすることさえ苦しい状態で、息も絶え絶えになっていた。
その瞳がやけに大きい。

『ああ、ウィメン・・・・。どうしちゃったの?』
シュマリーは信じられないというそぶりをする。

エンゲルはさらにシュマリーを責める言い方をした。
『わからないか?お前がそんなふうにしたんだよ。お前は愛してる男を殺すつもりか?』

『ちがう!』首を何度も横に降り、必死に否定してみせるシュマリー。
『ウィメンは殺さない!ウィメン!ウィメンは殺さないから安心して!!ね!?』
しかし、ウィメンはそれには答えずシュマリーにもたれかかるように倒れ込んだ。

『ウ、ウィメン!?』
シュマリーの頭はパニックになった。
『い、いや・・・いやだぁぁぁぁ。ウィメン、しっかりして。しっかりしてよぉぉ』
取り乱し号泣するシュマリー。

こんなにも泣きすがってくれるシュマリーがいとおしい。もうすぐ死ぬというのにウィメンは満足していた。
『ごめん、本当にごめんな、シュマリー。ずっと一緒には生きられないみたいだ。お前の力強すぎたよ・・・』
『エンゲルを許してやってくれよな。オレなんか比べ物にならないくらいシュマリーのことを思っているんだから・・・』
ウィメンはこんな状態になってまでも、やさしくシュマリーにこう言い残した。

そして、だんだんとその瞳から光が消えていく。息も・・・。

『い、いやぁぁぁ!!』
さらに泣き叫ぶシュマリー。
『ウィメン!』
エンゲルも名前を何度も呼び、つなぎ止めようとする。

『バッカヤロー。大バカヤロー・・・こんなになるまで・・・』
エンゲルは、悔しさに涙を流した。

あの時、悪魔退治にこの洞窟を訪れ、転生をしようとしたあの時・・・転生は失敗した。
が、シュマリーとウィメン二人は眠りに落ちてしまった。シュマリーは眠っていてもウィメンの手を離さなかった。
ウィメンは自分に執着してきたシュマリーと夢の中で心を通わせた。

エンゲルはなかなか目覚めない二人を見守っていた。
しかし、数日して二人に異変が現れた。シュマリーはますます美しくなっていくが、ウィメンが老いていくのだ。
これは危険だと察知し、二人を目覚めさせようと努力していた。

だから、いつでもシュマリーを殺すことができたのだ。
ウィメンを救うためには早急に手を下すべきだった。
今となってはもうどうしようもないが・・・・・

エンゲルは、泣き叫びウィメンにすがるシュマリーの腕をつかみ、自分に向き直らせて口を開く。
『シュマリー。これがお前のしたことだ。お前はこんなことを永遠に続けるつもりか?』

『なぁ、シュマリー・・・!!?』
激しく揺さぶって怖い顔をして訴えるエンゲル。その瞳は真剣そのものだ。目には涙がたまりあふれ出した。

シュマリーは、しばし放心状態でエンゲルを見る。

顔を悲痛にゆがませ、みっともないくらい涙を流す男。

ずっと、自分を追いかけてくれた男。

ずっと、密かに好きだった男。

『エンゲル・・・泣かないで』
シュマリーは、そう言いながらエンゲルのほおを流れる涙をやさしく拭うと、エンゲルの背後に手を回して背中についている白い羽をなでる。
ふわふわと軽くてやわらかい感触が指を伝う。その感触に心地よくなったシュマリーはエンゲルに身をまかせてきた。

『ど、どうしたんだよ。シュマリー』
エンゲルは困惑する。今までさんざん自分を拒否してきたシュマリーが身を寄せてきている。いったい何を考えているのかわからない。シュマリーの顔を見ようとするが、シュマリーは頑なにエンゲルの胸に顔をうずめたまま動かなかった。

『なあ、いったいどうしたんだよ。何か言ってくれ』エンゲルはシュマリーの出かたを待った。

しばらくして、顔を上げたシュマリーは『私を殺して』と言った。
無表情でそう告げたシュマリーは、またエンゲルを強く抱きしめる。そして、震えだした。

エンゲルは、シュマリーの口からそんな言葉が出るとは思っていなくて、一瞬頭が真っ白になった。
恐る恐る『そ、それしかないのか・・・?』と聞き返す。

『しょうがないじゃない。愛すると生気を吸っちゃうみたい。私、もうおかしいの。化け物なのよ』

『だから・・・・・避けてたのに・・・エンゲルごめんね』
そういうと、シュマリーは悲しそうな表情をして下を向いたままさらに続けた。

『私、エンゲルが好き。愛しているの』
『は・・・?』突然の言葉に耳を疑うエンゲル。

『ねぇ、あれ見える?ずっと持っていたの』
そう言いながら指差したところには、白い羽があった。

あれは・・・
そう、エンゲルの羽。シュマリーにもぎとられた羽だった。

シュマリーは目に涙をいっぱいためて微笑む。
エンゲルを抱き寄せてささやく。
『エンゲル愛しているわ』

強く強く、その言葉はエンゲルの心に響く。待ち望んでいた言葉。
心が安らかになる言葉。
と、同時に死の宣告。

なのに、心は満たされていくなんて俺はどうかしている。
『俺も愛しているよ。シュマリー』
そう応え、シュマリーを抱きしめようとするが既に力が入らない。

鼓動が早くなり、息が荒くなる。みるみる力が抜けていく。意識が遠くなる。
シュマリーが、シュマリーの顔が見えない。

シュマリーは、急激に衰えていくエンゲルをぎゅっと抱き締め、何度も繰り返し叫んだ。

『ダメ!死んじゃダメ!まだ私を殺してないでしょぉぉぉぉ!!!』


叫びもむなしく、エンゲルは逝ってしまった。
エンゲルの最期を見届けたシュマリーの傍らには、二体の男が横たわる。
もう目を開けることも、起き上がることも、話すこともできない。

そして、いつのまにか悲しくて悲しくて泣いた涙も乾いてしまっていた。


ウィメン・・・・・

エンゲル・・・・・

『愛しているわ』



永遠に          私は生きる


-END-

小説ウルフマンとネクロ画像

6【未来、悪魔とウィザードと追放天使】

これで完結です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
結果的に悪魔は悪い心の化身のように表現してしましましたが、冷めた悪魔ではなく、情熱いっぱいの悪魔ではあったと思って頂けますか?
正直に欲を求め、愛を求める姿と、妖艶の美を描きたかったんですよ。どれだけそのように表現できているか。みなさんに伝わっているか疑問ですが、自己満足という点では書き終わってすっきりしています。
また何かを小説に書く気になった時は、これに懲りずに読んでいただけるとうれしいです。
加えて言い訳になりますが、最初に考えていたのはラブラブなハッピーエンドだったんですけど、こんなホラーっぽくなってすみません。
自分の嗜好が・・・いや、思考が怖いです。
悪魔のシュマリーは、この後も愛することにおびえずにたくましく生きていくことでしょう。
ゲーム内では、ネクロで捕獲したペットを悪魔も連れ歩けるでしょ?ということで、愛した人の屍を連れ歩いているなんて思ってみたりして。
こ、怖い?あははは。
まあ、一方で、ネクロマンサーのシュマリーとウルフマンのウィメンは、テイマのティマやサマナのサナ達と幸せに暮らしましたとさ。
とでも、思っておいてくださいね。
みなさんに幸あれ!

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